この町は三大銘醸地の一つに数えられるほど造り酒屋が多く、駅近くには八つの銘柄の醸造所が軒を連ねている。その酒蔵通りに程近い地に水屋を作る機会を得た。8帖の続き間となっている6帖和室の2帖分を水屋とする計画。また、水屋として使わない時は、襖を閉め8帖の続き間としても使用できる。襖紙は、京都の唐長まで施主と共に足を運び決めたもの。日々の移ろいの中で、その表情は生活にアクセントを加えてくれる。