佐貫の家

80年を経過した祖父の遺構は、富津佐貫海岸に近く、鬱蒼とした木々の陰で時の経過とともに朽ちていました。

施主はこの家を修復し、ご自身の思い出と共に後世に残したいと希望されました。

昭和初期に建てられた母屋は、西側が腐食と白蟻により土台がほぼ全滅、全体に外周の柱は相当に痛んでいました。
床の傾きは、最大140ミリの差があり、傾きが視覚、体感とともに実感できる状態。
床を撤去し土台を入れ替え、柱の根継ぎをしながらの作業は、想定外の崩落、新たな損傷個所など修復範囲を拡大することを強いられましたが、各職方の協力により無事完成。設備を施した快適な離れを増築し、時の記憶を取り戻しました。

竣工式ではご当主始め皆さんの懐かしい思い出と、喜びの声をいただきました。
化粧直しを終えたこの家とともに新たな記憶を刻んでいただければと思っています。


佐貫の家

佐貫の家

佐貫の家

佐貫の家

佐貫の家

佐貫の家